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自分が生きていることに感謝し、自分が健康で長寿を全うすることうすることこそが、最大の感謝の表現である。養生訓より

 人間の尊厳性

今、自分が生きていることは、いろんな人たちのおかげであることを認識しないといけない。両親が自分を生み育ててこられたことを感謝し、そのほかに自然の恵みにも感謝しなければならない。その感謝の表現として、自分が健康で長寿を全うすることこそが、最大の感謝の表現なのである。

 

この段は何時読んでも涙が止まらない。

『自分を五体満足に生んでくれた両親に感謝し、自然の恵みにも感謝し、自分が健康で長寿を全うすることこそが、最大の感謝の表現なのである。間違っても親より先に逝くようなことはしてはならぬ。』

 

しびれますネ。健康で長生きというのは現代にも通じるものである。


自分が健康であれば、両親やそのほかの人たちは不健康なときよりも安心をしている。それゆえ、自分の身体を不健康な状態にもっていく行為はよくないことである。おおげさにいえば、理由も無しに毛髪を切ることや、肌を傷つける行為などは、もっとも親不孝な行為である。


ひととして生きているのならば、健康で長生きすることは、誰でも願い思う最大のものである。健康で長生きする方法を知り実践することは人生の最も大事なものである、と言っても過言ではないであろう。


不健康なことをして、自分の身体を病むことはとても馬鹿げたことである。自分の欲望と自分の健康とをはかりにかけることについて考えよう。欲望が強いときにでもそのことで身体を壊してしまうことがあるときは、十分考えたうえにその欲望をみたす行為をしないといけない。

たとえば、面白い読み物があり夜の寝る時間をさいて読んだとしよう。その時は大変、面白く過ごせたとしても、翌朝とても睡眠不足で体調を崩すであろう。

その読み物を前の日に読み終わらなければならない理由がとても重要なものならば仕方ないであろうが、次の日に読んだとしてもかまわないときは自分の欲望をおさえ、自分の体調を維持するほうが大事であろうことは、誰にも分かることと思う。


人生を楽しく過ごすのはいいことであるが、そのことで寿命を縮めることがあってはいいことでない。お金をたくさん儲けたとしても、そのために自分の健康を損ない楽しく生活を過ごせないとしたら、儲けたお金も何も役に立たないであろう。健康で長生きするほうが、大きな幸せではないだろうか。

 

養生訓より一部抜粋

★『養生訓』(ようじょうくん)は、正徳2年(1712年)に福岡藩儒学者貝原益軒によって書かれた、養生(健康、健康法)についての指南書。益軒83歳の著作で、実体験に基づき健康法を解説した書。

長寿を全うするための身体の養生だけでなく、精神の養生も説いているところに特徴がある。一般向けの生活心得書であり、広く人々に愛読された。

現代でも岩波文庫、中公文庫、講談社学術文庫など多くの出版社や原文付き現代語版や口語訳、解説書などが出版されている。ジョージ秋山による漫画化や、海外向けの英訳もなされている。


◆構成
第一巻 総論上
儒教思想に基づき、養生の目的と意義を述べる。
第二巻 総論下
運動・栄養・休息に過不足なく生活することを奨める。
第三巻 飲食上
第四巻 飲食下
3巻・4巻では、控えめな飲食の方法および喫煙の害を説く。
第五巻 五官
五官(耳・目・口・鼻・形)の機能を説き、口腔衛生の重要性を述べる。
第六巻 慎病
「医は仁術なり」の記述で知られる。病にならないように養生し、かかる医者は吟味することを奨める。
第七巻 用薬
薬の効能と害を説く。
第八巻 養老
老後の過ごし方を説く。

◆養生訓に見られる健康観
孟子』の君子の三楽にちなみ、養生の視点からの「三楽」として次のものが挙げられている。
1-道を行い、善を積むことを楽しむ
2-病にかかることの無い健康な生活を快く楽しむ
3-長寿を楽しむ。
また、その長寿を全うするための条件として、自分の内外の条件が指摘されている。まず自らの内にある四つの欲を抑えるため、次のものを我慢する。
➀あれこれ食べてみたいという食欲
➁色欲
➂むやみに眠りたがる欲
➃徒らに喋りたがる欲
さらに季節ごとの気温や湿度などの変化に合わせた体調の管理をすることにより、初めて健康な身体での長寿が得られるものとする。これらすべてが彼の実体験で、彼の妻もそのままに実践し、晩年も夫婦で福岡から京都など物見遊山の旅に出かけるなど、仲睦まじく長生きしたという。こうした益軒の説くことは、今日の一次予防に繋がるものである。

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