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磁気パルス治療により統合失調症患者を悩ます幻聴を一部抑えることに成功 仏パリ学会で発表

統合失調症患者を悩ます幻聴を起こす脳の部分を特定し、磁気パルス治療により幻聴を一部抑えることに成功したとの研究結果が5日、仏パリ(Paris)で開かれた欧州神経精神薬理学会(European College of Neuropsychopharmacology)で発表された。


 研究チームは、統合失調症患者の言語性幻聴に関わる脳の解剖学的部位をある程度突き止め、高周波の経頭蓋磁気刺激法(TMS)によって、臨床実験に参加した患者の3分の1以上で症状が改善されたことを明らかにした。


 臨床実験では、統合失調症患者でTMS治療を実際に行った26人と、プラセボ(偽の)治療を行った33人を比較。前者のグループには、2日間にわたって1日2回、言語に関わる脳の側頭葉の部位に磁気のパルス刺激が与えられた。


 2週間後に実験参加者の幻聴に関する調査を行ったところ、TMSを受けた患者の35%近くが「著しい」改善を報告したという。ただし、研究チームは、TMSの長期的効果についてはさらなる研究が必要だとしている。


 統合失調症患者や、身近で接する人々にとって、幻聴は最も厄介な症状の一つとされる。世界保健機関(WHO)によると、統合失調症患者は世界で2100万人以上いる。

 

統合失調症
統合失調症(とうごうしっちょうしょう、独: Schizophrenie、仏: Schizophrénie、英: Schizophrenia、SZ)とは、思考、知覚、感情、言語、自己の感覚、および行動における他者との歪みによって特徴付けられる症状を持つ精神障害の一つ。


一般的には幻聴、幻覚、異常行動などを伴う。


「統合」とは、思考や行動、感情などを1つの目的に沿ってまとめていく能力のことをいいます。「失調」とは、一時的に調子をくずしているものの、回復の可能性があることを示しています。つまり「統合失調症」とは、直接の原因がないのに考えや気持ちがまとめることが出来なくなり、その状態が長期間続くこといいます。

 

そのため行動がぎくしゃくして、困難や苦痛を感じ、回復には治療や援助が必要になる病態だといえます。しかし、目的に沿ってまとまった考えや行動がとれなくなることは、病気ではない健常者にもありえますし、うつ病や引きこもり、適応障害などの場合でも起こります。そこで、診断を確定するために、幻覚や妄想(統合失調症の基本症状)等があるかどうかで判断することもあります。


統合失調症を特徴づけるのは、日常生活そのものが不安定な状態になってしまう「生きづらさ」といえるでしょう。

 

統合失調症のもう1つの特徴は、症状に「陽性症状」と「陰性症状」の、2つの基本的な型があることです。陽性症状とは、幻覚や妄想、興奮状態などです。その症状は、誰の目から見ても「精神を病んでいる」とを思わせ、狂気を感じさせます。

 

一般の人は、統合失調症の症状というと、まずこの陽性症状を思い浮かべることが多いようです。一方の陰性症状は、自発性が乏しくなる、感情の表現が鈍くなり、人付き合いが苦手になる、精神の柔軟性が失われる、といった状態をいいます。1日の大半をぼんやり座り込んで過ごす無為自閉の状態になるケースが多く見られます。

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