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埼玉県所沢市と長野県茅野市でO157の被害が確認される

 ◆埼玉県所沢市の焼き肉店で、ローストビーフなどを食べた客4人から、腸管出血性大腸菌(=O157)が検出された。

 

 O157の被害が確認されたのは、所沢市の焼き肉店「焼肉肉匠もりやす」。埼玉県によると、先月12日と15日、この焼き肉店で「ローストビーフ」や「和風ロースト握り」「焼き肉盛り合わせ」を食べた11人のうち7人が体調を崩し、そのうち4人の便からO157が検出されたという。4人はいずれも快方に向かっているということだが、埼玉県は6日から3日間、この焼き肉店を営業停止処分にした。

 

 埼玉県や群馬県では総菜店でポテトサラダなどを食べた客がO157に感染する被害が相次いでいたが、今回のO157について遺伝子型を調べたところ、サラダのケースとは型が違ったという。


 ◆長野県健康福祉部は6日、茅野市内の保育園で腸管出血性大腸菌O157、O26)の集団感染が発生したと発表した。感染者は20人で、このうちの10人に腹痛や下痢などの症状があり、4人が一時入院した。現在は全員治癒または快方に向かっているという。

 

 県諏訪保健福祉事務所によると、8月2~7日に茅野市内の医療機関から届け出があった3人の感染者がいずれも同じ保育園に通う園児だったことから同園を対象に検便を実施。今月6日までに園児19人、職員1人への感染を確認した。このうち10人は症状はないが病原体を保有していた。

 

 同事務所によると、食中毒による集団感染ではなく、園内の集団生活の中で感染したという。同事務所は保育園と通園する園児の家庭に対して感染拡大防止対策の徹底を呼び掛けている。

 

 県健康福祉部によると、今年の県内の同感染症の届出件数は6日現在で71件となっており、昨年1年間の36件を大きく上回っている。

磁気パルス治療により統合失調症患者を悩ます幻聴を一部抑えることに成功 仏パリ学会で発表

統合失調症患者を悩ます幻聴を起こす脳の部分を特定し、磁気パルス治療により幻聴を一部抑えることに成功したとの研究結果が5日、仏パリ(Paris)で開かれた欧州神経精神薬理学会(European College of Neuropsychopharmacology)で発表された。


 研究チームは、統合失調症患者の言語性幻聴に関わる脳の解剖学的部位をある程度突き止め、高周波の経頭蓋磁気刺激法(TMS)によって、臨床実験に参加した患者の3分の1以上で症状が改善されたことを明らかにした。


 臨床実験では、統合失調症患者でTMS治療を実際に行った26人と、プラセボ(偽の)治療を行った33人を比較。前者のグループには、2日間にわたって1日2回、言語に関わる脳の側頭葉の部位に磁気のパルス刺激が与えられた。


 2週間後に実験参加者の幻聴に関する調査を行ったところ、TMSを受けた患者の35%近くが「著しい」改善を報告したという。ただし、研究チームは、TMSの長期的効果についてはさらなる研究が必要だとしている。


 統合失調症患者や、身近で接する人々にとって、幻聴は最も厄介な症状の一つとされる。世界保健機関(WHO)によると、統合失調症患者は世界で2100万人以上いる。

 

統合失調症
統合失調症(とうごうしっちょうしょう、独: Schizophrenie、仏: Schizophrénie、英: Schizophrenia、SZ)とは、思考、知覚、感情、言語、自己の感覚、および行動における他者との歪みによって特徴付けられる症状を持つ精神障害の一つ。


一般的には幻聴、幻覚、異常行動などを伴う。


「統合」とは、思考や行動、感情などを1つの目的に沿ってまとめていく能力のことをいいます。「失調」とは、一時的に調子をくずしているものの、回復の可能性があることを示しています。つまり「統合失調症」とは、直接の原因がないのに考えや気持ちがまとめることが出来なくなり、その状態が長期間続くこといいます。

 

そのため行動がぎくしゃくして、困難や苦痛を感じ、回復には治療や援助が必要になる病態だといえます。しかし、目的に沿ってまとまった考えや行動がとれなくなることは、病気ではない健常者にもありえますし、うつ病や引きこもり、適応障害などの場合でも起こります。そこで、診断を確定するために、幻覚や妄想(統合失調症の基本症状)等があるかどうかで判断することもあります。


統合失調症を特徴づけるのは、日常生活そのものが不安定な状態になってしまう「生きづらさ」といえるでしょう。

 

統合失調症のもう1つの特徴は、症状に「陽性症状」と「陰性症状」の、2つの基本的な型があることです。陽性症状とは、幻覚や妄想、興奮状態などです。その症状は、誰の目から見ても「精神を病んでいる」とを思わせ、狂気を感じさせます。

 

一般の人は、統合失調症の症状というと、まずこの陽性症状を思い浮かべることが多いようです。一方の陰性症状は、自発性が乏しくなる、感情の表現が鈍くなり、人付き合いが苦手になる、精神の柔軟性が失われる、といった状態をいいます。1日の大半をぼんやり座り込んで過ごす無為自閉の状態になるケースが多く見られます。

ヒトのiPS細胞でパーキンソン病を大きく改善 京都大学がサルで実験

神経のもとになる細胞を人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作り、パーキンソン病のサルに移植したところ、症状が改善したと、京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授らのグループが発表した。

 グループは、人のiPS細胞を変化させて、神経細胞のもととなる細胞を約480万個作製。パーキンソン病を発症したカニクイザルの脳に移植した。


 移植後2年間、異常もなく、「人への応用を目指す上で大きな成果」という。論文が31日、英科学誌・ネイチャー電子版に掲載される。

 パーキンソン病は、脳内で情報を伝達する「ドーパミン」を出す神経細胞が減少することで発症する。徐々に体が動かなくなる難病で、根本的な治療法はない。患者は国内に推定16万人。


ヒトのiPS細胞を応用して、神経の難病とされるパーキンソン病のモデルとなるサルの症状を、大きく改善させることに京都大学などの研究グループが成功し、来年度、治療法として国の承認を得るための臨床試験を実施したいとしています。

京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授などのグループは、神経の細胞が失われることで手足が震えたり、体が動かなくなったりする、難病のパーキンソン病のモデルとなるサル11頭を使って、脳の中にヒトのiPS細胞から作った神経の元となる細胞を移植して症状が改善するか観察する実験を行いました。

その結果、表情の変化や体の震えなどを点数化してパーキンソン病の症状の強さを表す指標は、当初のおよそ10ポイントが1年後に5ポイント程度になり、症状が大幅に改善したということです。

また、行動の様子を撮影して分析すると、移植したサルでは歩く時間がおよそ3倍に増えるなど運動能力も改善し、脳を調べると、移植した細胞のうちおよそ13万個が神経細胞になって働いていることがわかったということです。

iPS細胞を応用したパーキンソン病の治療をサルで行ったケースは、欧米で複数ありますがいずれも小規模な実験で、11頭のサルを使うことで有効性を科学的に示したものは初めてだとしています。

高橋教授は「治療法として国の承認を得るための臨床試験を来年度に実施したい」と話しています。

パーキンソン病(パーキンソンびょう、英: Parkinson's disease)は、錐体外路症状を示す進行性の神経変性疾患である。アルツハイマー病と並んで頻度の高い神経変性疾患と考えられている。日本では難病(特定疾患)に指定されている。本症以外の変性疾患などによりパーキンソン様症状が見られるものをパーキンソン症候群と呼ぶ。40歳以上の中高年の発症が多く、特に65歳以上の割合が高い。

◆症状
手足のふるえ(振戦)、手足のこわばり(固縮)、動作が緩慢(寡動、無動)、転びやすくなる(姿勢反射障害)、が代表的な特徴です

片側の症状から始まり、他の部分へ進行する特徴があります。その他に、便秘や立ちくらみ(起立性低血圧)などの自律神経症状、睡眠障害、気持ちがふさぎこむ(抑うつ)などの精神症状が認められます。

具体的には、じっとしている時に片側の手や足がふるえる(安静時振戦)、表情が乏しく抑揚の無い声になる、関節が硬く引っ掛かりを持つ(歯車様固縮)、立ち姿が少し前屈みで歩き方が小刻みである、歩く際に手を振らない、歩き始めや途中ですくむと次の一歩がなかなか出ない、すくんでも音や線をまたぐなどをきっかけに良くなる、身体がどちらかに傾く、字が小さくなる、等が運動症状として代表的です。

精神症状には、気持ちの落ち込み、意欲、自発性の低下、夜間の不眠、認知の問題が知られています。自律神経症状には、よだれが多くなる、顔が脂ぎってくる、トイレが近くなる、汗が多くなる、インポテンツ、手足のむくみ、などの訴えが挙げられます。また、身体の痛みが起こる事もあります。


◆危険因子と保護因子
危険因子・保護因子として報告されたものには、以下のものがある。これらは疫学的な研究報告であり、パーキンソン病発症との因果関係があるのかはわかっていないものも多く、また相反する結果の報告も少なくない。
●危険因子
加齢: ほぼすべての研究で高齢になるほど有病率は高くなり、発症率も60から70代が最も高いとされる。
性: 上記のとおり、男女どちらが発症しやすいかは報告が分かれている。
居住場所: 都市部に比べて農村部に多いとする報告と、差がないという報告がある。
除草剤・殺虫剤への曝露: パラコート・ロテノン・有機塩素剤などが報告されている。
金属への曝露: マンガン、銅、鉛、鉄など。
ライフスタイル: 偏食、飲酒・喫煙をしない、無趣味、仕事中心、無口・内向的で几帳面、など。
食事: 動物脂肪、飽和脂肪酸の摂取。総脂肪や総コレステロールについては意見が分かれている。
井戸水摂取: 危険因子とする報告が多いが、保護因子とするものもある。
頭部外傷・その他の合併症: 頭部外傷は危険因子とする報告がある一方、否定的なものが多い。
●保護因子
食事: ビタミンC、ビタミンEナイアシンなど抗酸化作用を持ったビタミン類。ビタミンD (食事摂取量ではなく、血清ビタミンD濃度の差による報告)。
喫煙: 批判はあるが、喫煙が保護作用を持つとする報告は古くから多数ある。
コーヒー(カフェイン): 喫煙同様多くの報告がある。カフェインに保護効果があると考えられる。
ステロイド性抗炎症薬: イブプロフェンが効果的だという報告が多く、アセチルサリチル酸アスピリン)とアセトアミノフェンの効果については否定的とされる

前橋市の「でりしゃす六供店」で販売されたポテトサラダを食べた男児2人(1歳と4歳の兄弟)から、新たにO157が検出

前橋市の「でりしゃす六供店」で販売されたポテトサラダを食べた男児2人(1歳と4歳の兄弟)から、新たにO157が検出

 

埼玉、群馬両県の総菜販売「でりしゃす」の系列店でポテトサラダを購入して食べた人が腸管出血性大腸菌O(オー)157に感染している問題で、前橋市保健所は28日、同市内の「でりしゃす六供店」で販売していたポテトサラダを食べた群馬県高崎市男児2人(1歳と4歳の兄弟)から、新たにO157が検出されたと明らかにした。

 

前橋市保健所によると、2人は兄弟。今月11日に「でりしゃす六供店」(前橋市六供町)で購入したポテトサラダを食べた後、体調が悪くなり、弟は一時入院した。現在は2人とも快方に向かっているという。

 

 ポテトサラダを食べた人で、感染が確認されたのは両県で計14人。同店でほかの総菜を購入した数人からもO157が検出されたという報告もあるという。


◆ O(オー)157などの腸管出血性大腸菌は気温が上がると増えやすく、食中毒の発生は夏に多い。国立感染症研究所によると、今年に入り今月13日までに報告された感染者は1696人で前年同期と比べ72人増。ここ3週は急増の感染が報告されている。

 厚生労働省によると、O157感染の原因とされた食品は牛肉やサラダ、メロン、漬けものなど様々。菌が付いた食べ物を食べるなどで感染する。主な症状は腹痛や下痢。まれに腎臓や脳に障害がでるなど重症化し、死に至ることもある。

 

 今回、ポテトサラダを食べた人が食中毒になったことについて厚労省の担当者は、「あまり聞いたことがない」。食中毒にならないためには「菌を増やさないこと」が重要という。

調理済みの食品を買った場合、店に備えてある氷などで冷やして持ち帰り、すぐに冷蔵庫に入れたほうがいい。室温で放置すると、15分ほどで菌は2倍に増えるとされる。

 家庭でできる一般的な予防法として、調理前や排便後などこまめに手を洗う▽中心部の温度が75度で1分以上食品を加熱する――などを厚労省はあげる。

 

 

◆今月7日から中旬にかけて、総菜店「でりしゃす」の埼玉県熊谷市にある籠原店と熊谷店、それに、前橋市の六供店と伊勢崎市の連取店で加工販売されたポテトサラダを食べた16人が腹痛などを訴え、このうち12人から腸管出血性大腸菌、O157が検出されました。

 

保健所は、ポテトサラダを製造していた高崎市の食品工場の従業員19人の便を検査した結果、O157は検出されなかったと、28日発表しました。

 

保健所によりますと、工場に残っていたポテトサラダのすべてのサンプルや、調理器具などからもO157は検出されず、工場の製造過程での混入の疑いは確認できなかったということです。


また、埼玉県の2つの店舗と前橋市の店舗の従業員や調理器具からもO157は検出されませんでした。

 

依然として混入経路は特定されておらず、国立感染症研究所は、患者から検体の提供を受け、O157のDNA型が一致するかどうか調べています。

「代替医療を選択したがん患者の死亡率は、標準治療を選択した患者より最大で5倍程度高い」米エール大学医学大学院

代替医療を選択したがん患者の死亡率は、標準治療を選択した患者より最大で5倍程度高くなるとする研究結果を、米エール大学医学大学院(Yale University School of Medicine)のスカイラー・ジョンソン(Skyler Johnson)氏らの研究チームが発表した。

 18日にAFPの取材に応じたジョンソン氏によると、研究チームは米国で最も一般的な4種類のがん──乳がん前立腺がん、肺がん、結腸がん──と診断され、効果が証明されていない代替医療を1種類以上受けることを選択した患者281人を抽出した。

 

 研究チームは上記患者らの治療後の健康状態を別のがん患者560人と比較した。その際には年齢や人種、その他の健康要因も考慮した。

 

 平均すると、代替医療を選択した患者の診断後5年以内の死亡率は、通常医療を選択した患者の2.5倍以上だった。ジョンソン氏はAFPに対し「いくつかの理由から、私はこの数字は実際より小さくなっていると考えている」と述べた。

 

 まず、このデータは初期の治療しかカバーしていない。つまり代替医療を最初に選択した患者の中には、がんが進行する中で標準治療に移行し、そのおかげで生存期間が延びた人もいるかもしれない。

 

 また、代替医療を選んだ患者群は標準治療を選んだ患者群よりも健康で若く、収入と学歴が高かった、つまり、一般的に生存率が高くなる特徴を持つ人たちだった、とも考えられるという。

 

 ジョンソン氏は、患者たちは代替医療に難色を示しがちな医師には正直に話したがらない傾向もあり、代替医療を選択した患者の正確な人数は分からないが、現在提供されているがんの代替医療をすべて合わせると、数十億ドル(数千億円)規模のビジネスになっているのではないかと述べた。


代替医療
現代西洋医学以外の医療行為の総称。鍼灸しんきゆう、漢方、カイロプラクティック、マッサージなど。西洋医学の治療法の欠点などを補うことから補完医療ともよばれる。オルタナティブ-メディシン。

代替医療(だいたいいりょう、英: alternative medicine)とは、「通常医療の代わりに用いられる医療」を指す用語である。Medicineは医療とも医学とも訳されることがあるので、代替医学とも呼ばれる。近代ドイツ医療社会史専攻の服部伸は、代替医療オルタナティブ医療)とは、科学的・分析的な近代医学の限界を指摘し、時には霊の力を援用しながら、患者の心身全体の調和を取り戻そうとする医療であり、中国医学漢方医学アーユルヴェーダもこれに含まれると述べている。

今のところ、通常医療に取って代わるような代替医療は存在しない。帝京大学大野智は、科学的に有効性が裏付けられた医療は通常医療に組み込まれるため、代替医療という言葉自体に矛盾があるのかもしれないと指摘している。日本でも一部の漢方薬は通常医療に取り入れられている。

似た用語に、補完医療、相補医療(ほかんいりょう、complementary medicine)があるが、これは「通常医療を補完する医療」を指す用語である。アメリカでも日本でも、学会等の正式の場では代替医療と補完医療を総称して補完・代替医療(Complementary and Alternative Medicine: CAM) の名称が使われることが多かったが、アメリカでは近年変わりつつある。

アメリカの国立補完代替医療センター(現・アメリカ国立補完統合衛生センター)では、2010年頃から研究目的は「病気の予防・治療」から「症状のマネジメント」に変更され、各種施術療法の総称として、補完・代替医療ではなく補完的健康アプローチ(complementary health approaches)という用語を使うようになってきている。

通常医療と補完・代替医療の2つを統合した医療は統合医療と呼ばれる。日本の厚生労働省は、統合医療は近代西洋医学と補完・代替医療や伝統医学等とを組み合わせて行う療法であり、多種多様なものが存在すると説明している。
これらは元々欧米から発信されている用語であり、欧米での医療の歴史が反映された概念である。

世界保健機関での定義
世界保健機関は2000年に「伝統医療の研究・評価の方法論の一般的ガイドライン(General Guidelines for Methodologies on Research and Evaluation of Traditional Medicine)において、補完・代替医療を「該当国の伝統に基づいており、かつ主流の医療制度に統合されていない医療技法」と定義している。
たとえば欧州ではいくつかのハーブ療法(植物療法)は通常医療となっているが、米国では補完・代替医療とされている

歯茎の病歴を持つ女性は、食道がんや乳がんなど発症リスクがアップする 歯周病と対策

歯茎の病歴を持つ女性は、特に食道がん乳がんなど、何種類かのがんを発症するリスクが高くなることが、1日に発表された米研究で明らかになった。
 
 米がん学会(AACR)の学会誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention(がんの疫学・生体指標・予防)」に発表された論文によると、歯周病の病歴を持つ女性では、がんの発症リスクが14%上昇する。
 
 最も強い連関が示されたのは食道がんで、歯周病の女性はそうでない女性と比べてリスクが3倍以上だった。また、肺がん、胆のうがん、黒色腫、乳がんのリスクも比較して「かなり高い」ことが明らかになった。
 
 研究は1999年から2013年まで行われ、年齢54~86歳までの6万5000人の更年期後の女性に自らの健康に関する質問票に回答してもらい、平均8年間の追跡調査が行われた。
 これまでの研究でも、歯周病の人は特定のがんに罹るリスクがより高いことが示されていた。
 
 論文主著者でニューヨーク州立大学バッファロー校(University at Buffalo, The State University of New York)公衆衛生学部のジーン・ワクトウスキ・ウェンド(Jean Wactawski-Wende)学部長によると、女性のみを対象に歯周病とすべての種類のがんの連関に焦点を当てた初の研究だという。
 
 同氏は、歯周病がどのようにがんを誘発するのかに関しては詳細な研究がさらに必要だと付け加えた。
 
歯周病歯槽膿漏)ってどんな病気?
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。

そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます

歯周病(ししゅうびょう)とは、歯肉、セメント質、歯根膜および歯槽骨より構成される歯周組織に発生する慢性疾患の総称である。歯周疾患(ししゅうしっかん)、ペリオ (perio) ともいい、ペリオは治療のことを指すこともある。ただし、歯髄疾患に起因する根尖性歯周炎、口内炎などの粘膜疾患、歯周組織に波及する悪性腫瘍は含まない。
歯周病生活習慣病のひとつ。歯垢プラーク)を主要な原因とする炎症疾患が多いが、単に歯垢のみでなく、多くの複合的要因によって発生する。また、歯垢が一切関係ない(非プラーク性)歯周疾患も多数存在する。さらに、原因因子には個人差があり、歯周病の罹りやすさや進行度合いは人によって違う。
 
歯周病のうち、歯肉に限局した炎症が起こる病気を歯肉炎(しにくえん)、他の歯周組織に及ぶ炎症と組織破壊が生じている物を歯周炎(ししゅうえん)といい、これらが二大疾患となっている。歯肉炎で最も多いのはプラーク性歯肉炎(単純性歯肉炎)であり、歯周炎のうちで最も多いのは慢性歯周炎(成人性歯周炎)であるため、歯肉炎、歯周炎といった場合、それぞれ、プラーク性歯肉炎、慢性歯周炎を指すのが一般的である。
 
6年に一度行われる歯科疾患実態調査によると、日本においては歯周疾患の目安となる歯周ポケットが4mm以上存在している割合が、平成23年調査では45歳以上の人で約半数に達しており、また、高齢者の歯周疾患患者が増加していることが示されている。ただし、前回までと比較して調査方法の厳密化がなされていることから、単純比較は出来ないのではないかとされている。
 
また、8020運動の推進などにより、残存歯数が増加していることも歯周疾患の増加に関わっていると考えられている。但し、85歳以上では残存する歯が減少するため一見した患者数は減少する
 
◆思いあたる症状をチェックしよう!
朝起きたとき、口の中がネバネバする。
ブラッシング時に出血する。
口臭が気になる。
歯肉がむずがゆい、痛い。
歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
かたい物が噛みにくい。
歯が長くなったような気がする。
前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
※上記の項目3つあてはまる
油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。
※上記の項目6つあてはまる
歯周病が進行している可能性があります。
※上記の項目全てあてはまる
歯周病の症状がかなり進んでいます。
 
歯周病の原因
お口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいます。
これらは普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。
これを歯垢プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。
この歯垢プラーク)1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。
 
歯と歯ぐきの間に残された歯垢プラーク
歯周病とは、この歯垢プラーク)の中の細菌によって歯肉に炎症をひき起こし、やがては歯を支えている骨を溶かしていく病気のことで、結果的に歯を失う原因となります。

歯垢プラーク)は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。 これはブラッシングだけでは取り除くことができません。この歯石の中や周りに更に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。
 
※次のことも歯周病を進行させる因子となります。
歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
不適合な冠や義歯
不規則な食習慣
喫煙
ストレス
全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
薬の長期服用
 
歯周病の予防対策
プラークコントロール
歯垢プラーク)は食事するたびに歯に付着しますので、毎日、または毎食後、自分で歯磨き、歯間ブラシ、デンタルフロスなどで丁寧に、そして確実に除去することでプラークコントロールする事が可能です。場合によっては『薬』によるプラークコントロールが必要です。
歯周病にかかっている方は歯周ポケットが深くなっているため、歯周ポケットに入り込んだ歯垢プラーク)を自分で除去する事は難しいので歯医者で歯垢プラーク)を除去してもらわなければなりません。
 
●正しい歯磨き
 歯磨きはいつ行う?
可能であれば毎食後に歯磨きをする事が理想ですが、実際問題それは難しいと思いますので、最低でも朝起きてすぐ(+朝食後)と夜寝る前の2、3回は時間をかけて歯磨きをしたいものです。
普通の歯ブラシで歯を磨くだけでも歯垢プラーク)を除去する事は出来るのですが、どうしても手で磨くと磨き残しが多くなる場合がありますので、そのような場合は『電動歯ブラシ』を利用するのも1つの手です。
特に最近人気があるのが、歯垢プラーク)除去性能が高いといわれている『音波振動(電動)歯ブラシ』です。
●よく噛んで食べる
物をよく噛むということは非常に大切で、噛めば噛むほど唾液が分泌され、唾液によって細菌を洗い流してくれるため歯周病予防、虫歯予防、口臭予防に効果的となり、さらによく噛むことによって満腹中枢が刺激され食べすぎを防いでくれるので肥満、糖尿病予防にも繋がるのです。
 
●生活習慣の改善
 歯周病の原因菌である歯垢プラーク)は糖分をエサに増殖して行きますので、糖分の多い食生活を続けていると確実に歯周病へのリスクが高くなってしまうのです。
また歯周病は糖尿病と深く関わっていますので、糖尿病になりやすいような高カロリー、高脂肪、塩分、糖類が多く含まれている食事は避け、過度のアルコール、食べすぎ、偏食も控え、バランスの取れた食生活を心がける事が何よりも大切になってきます。
大切なことは「ビタミン・カルシウム・たんぱく質・炭水化物」など、栄養バランスの取れた食生活を心がけることなのです。
 
●十分な睡眠・ストレス
睡眠不足になると人間の体は抵抗力が落ちますので、『細菌に感染しやすくなる=歯周病菌に感染しやすくなる』となり、歯周病へのリスクが高まってしまいます。
歯周病に限らず健康な身体を保つためにも十分な睡眠をとり、ストレスを溜めない、溜まったストレスは早めに解消するように心がける事が非常に大切なのです。
 
●禁煙
たばこ(喫煙)を吸っている人は吸わない人に比べて『2〜7倍』歯周病になるリスクが高いといわれており、さらにタバコは歯周病の症状を悪化させ、タバコを吸っている限り歯周病は治らないとさえ言われています。
 
●適度な運動
運動不足は歯周病と関わりの深い糖尿病の原因ともなりますので、難しいかもしれませんが適度な運動を心がける事が歯周病予防にも繋がり、適度な運動は身体の抵抗力を高めてくれますので、間接的にも歯周病を予防する事に繋がるのです。

歯周病って治るの?
現在では歯周病は、予防でき治療も可能です。 大切なのは予防、診断、治療、そしてメンテナンスです。

この15年の間に、歯周治療は急速な進歩を遂げました。 以前は「不治の病」とさえ言われていた歯周病も、現在では進行を阻止することが可能となり、健康をとりもどすことができるのです。まず、歯周病の原因は歯垢ですから、それをためない、増やさないことが基本です。そのためには正しい歯ブラシの方法で毎日実行することです。歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておく事が何より大切なことです。

歯肉の中まで入っている歯石を完全に取り除き、さらに根の表面を滑らかにして炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去することです。

傷んだ歯肉、骨を治療して健康に近い歯肉にすることです。
健康の保持のため歯科衛生士による専門的なクリーニングなどのメインテナンスを定期的に受けることです。

札幌市の病院で8月2日腸管出血性大腸菌O157の集団感染が発生し、80代の男性入院患者2人が死亡

札幌市は8月2日、同市の病院で腸管出血性大腸菌O157の集団感染が発生し、80代の男性入院患者2人が死亡したと発表した。他に8人が発症、6人も感染が疑われるが、いずれも快方に向かっているという。
 
 市保健所によると、7月27日~8月2日、70~90代の男女計16人が発熱や下痢などの症状を訴え、検査の結果、10人の便からO157が検出された。病院食や調理を担当した職員からは検出されておらず、食中毒ではないという。
市保健所は「夏は感染が起きやすい時期」であることを強調、食品の加熱や手洗いなど予防を徹底するよう呼びかけている。

 同病院では、2日までにデイケアサービスや外来診療を中止。保健所は感染経路を調べるとともに、病院に対し感染防止策を指示した。 
 
★病原性大腸菌(びょうげんせいだいちょうきん)とは、特定の疾病を起こす大腸菌菌株の総称である。毒素原性大腸菌とも呼ばれる。
病原性大腸菌は生化学的性質および学名は大腸菌だが,食中毒を引き起こす菌種をいう。腸管侵襲性大腸菌,腸管毒素原性大腸菌,病原血清型大腸菌腸管出血性大腸菌の4種類に大別される。

通常,大腸菌はヒトや動物の腸内に存在する細菌であるが,なかにはO-157のようにベロ毒素をつくりだし,腹痛,高熱,嘔吐を引き起こすものもある。
細菌学的には、菌の表面にある抗原(O抗原とH抗原)に基づいて細かく分類される。
このなかで、O111O157は100人を超える規模の食中毒をたびたび発生させることがあり先進国で問題となっている。

現在、要注意とされている病原性大腸菌は、O-157、O-26、O-111、です。他にO-74、O-91、O-103、O-121、O-145、O-161、O-165、なども時にベロ毒素を出すことがあります。その他のタイプでも稀にベロ毒素を出すことがありますので、病原性大腸菌には油断禁物です。
 
O157は血便を伴う激しい下痢を伴うことから正式には「腸管出血性大腸菌O157」と呼ばれています。

 大腸菌は、細胞壁の「O(オー)」抗原と鞭毛の「H」抗原により分類されています。「O157:H7」とは、157番目に発見されたO抗原と7番目に発見されたH抗原を持つ大腸菌という意味です。現在O抗原は173種類、H抗原は56種類見つかっています。  
 
◆病原性大腸菌の症状
 3~5日の潜伏期間を経て、下痢から始まります。すぐに頻回の水様性下痢となり、強い腹痛と血便が見られるようになります。腹痛は腹部全体のこともありますが右下腹部痛のこともあり、急性虫垂炎との鑑別が必要なこともあります。血便は血液のみのようになり腸粘膜が混在することもあります。発熱は必ずしも見られません。腸炎のみで次に述べる重症な合併症がなければ下痢が始まってから、5~7日で軽快してきます。
 
問題になるのは【溶血性尿毒症症候群(HUS)】という合併症です。
【溶血性尿毒症症候群(HUS)】
 下痢が始まってから、5~10日くらいして発症します。
☆腎不全:血尿、尿量の減少、顔や手足のむくみ、高血圧など。
☆血小板減少症:鼻血や歯肉からの出血が見られる。
☆溶血性貧血:赤血球が壊れて、貧血となり、顔色不良。
神経症状:脳浮腫(脳のむくみ)による意識障害、けいれんなど。
【溶血性尿毒症症候群(HUS)】は、生命に関わるくらい重症です。が、早期に治療すれば回復が早いです。発症早期は下痢しか症状がみられませんが、下痢くらいと考えず早めに医療機関を受診しましょう。
特に血便が見られたら、いくら元気に見えても様子など見ることなく、すぐ受診しましょう。

◆感染対策
牛等の糞便等から検出され、食肉が汚染されることが多い。感染している牛は無症状である。汚染防止のため食肉生産および加工の現場では多くの汚染防止対策が取られている。環境中での生存期間が長く、堆肥中で21ヶ月生存したとの報告があるほか、レタスなどの葉に付着後は2週間程度生存している。また、8℃以下では殆ど増殖しないが、12℃以上では3日間で100倍に増殖したとの報告がある。
腸管出血性大腸菌に対する特有の予防法は無く、一般的な食中毒の予防方法と同様である。
 
★ポイントは、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」という食中毒予防の3原則を守る。

注意することとしては生の食品はできるだけ避け、食べないようにしましょう。
●帰宅後、食事前、トイレ後、料理の前にはよく手を洗い、清潔なタオルで拭き、清潔な器具で調理します。
●食材は食べる直前まで十分に(8℃以下)冷やしておく。
●食器(箸)は未加熱食材用と加熱済み用を分ける。
●加熱に弱い菌であるため、肉を使用する食品は、その中心温度を75℃以上且つ1分以上の加熱をする。
などが、食中毒を防ぐために有効である。
◆注目されることとなった経緯
1940年代 英国で、乳幼児下痢症と大腸菌の関連が疑われていた際に、現在の血清型O111 が病原菌としてつきとめられた。
1967年 コレラ毒素に類似したエンテロトキシンを産生する大腸菌が最初に見いだされた。
1970年 60℃、10分の加熱で失活する易熱性エンテロトキシン(LT)と100℃、30分の加熱に耐える耐熱性エンテロトキシン(ST)の2種類のエンテロトキシンが発見された。
1982年 米国のオレゴン州ミシガン州で発生したハンバーガーによる中毒。
1985年 旅行者下痢症からEPECではないがEPECと類似の付着特性を持った菌(血清型O78:H33、菌株名211株)が分離された。
1996年(平成8年)5月28日 岡山県邑久郡邑久町(現在の瀬戸内市邑久町)の学校給食に起因するO157食中毒事件を、岡山県保健福祉部環境衛生課が発表した際に、マスコミを通じて O157の名称が知られるようになった。
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