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米たばこ各社が喫煙が原因で「1日平均1200人」の米国人が死んでいると認める新聞広告を掲載

米たばこ各社が26日、喫煙が原因で1日平均1200人の米国人が死んでいると認める新聞広告を掲載した。米連邦地裁は11年前、米たばこ業界が喫煙の危険性について国民を欺いていたとして「是正声明」を公表するよう命じていたが、業界側が表現をめぐって争っていた。

 新聞の全面広告には、黒い文字で「連邦地裁はR・J・レイノルズ・タバコ(R.J. Reynolds Tobacco)、フィリップ・モリスUSA(Philip Morris USA)、アルトリア(Altria)、ロリラード(Lorillard)に対し、喫煙による健康被害についてこの声明を掲載するよう命じた」「喫煙で平均1200人の米国人が死んでいる。毎日」などと書かれている。

 連邦地裁のグラディス・ケスラー(Gladys Kessler)判事は2006年、米たばこ業界は喫煙が健康にもたらす危険性について何十年にもわたって国民を欺き、法を犯して金儲けをしていたと認定。5つの健康項目について是正声明を公表するよう命令した。

 しかし、メーカー側が広告に掲載する具体的な表現をめぐって提訴したため、棚上げ状態になっていた。2014年になって、政府とメーカーが主要な日曜紙やゴールデンタイムのテレビ広告で1年間にわたり啓発キャンペーンを行い、たばこのパッケージにも警告を掲載することで合意したという。


米国のたばこ会社がこの週末から、喫煙の害について啓発するキャンペーンをゴールデンタイムのテレビCMや新聞広告を通じて展開する。26日にも掲載が始まる見通しだ。

米連邦裁判所は米国のたばこ会社に対する「是正措置」として、喫煙の危険性に関する情報を一般に公開して周知を図るよう命じていた。

米司法省は1999年、米国のたばこ大手や業界団体などを相手取って訴訟を起こし、国民は50年あまりにわたってあざむかれ、金をだまし取られてきたと訴えた。

2006年の判決では、たばこ会社による違法行為があったと認定。宣伝内容に強い文言で警告を表示し、喫煙が健康に及ぼす害について印刷広告で詳しく説明するよう言い渡した。

裁判所の命令に従って、今回の広告費用はたばこ大手のフィリップモリス、ロリラード、R・J・レイノルズ、アルトリアグループが負担する。

「具体的な文言や、いつ流すか、フォントの大きさなどを巡る争いは10年も続いた」。たばこ規制に詳しいカリフォルニア大学のスタントン・グランツ教授はそう解説。今回の広告には「公衆に対して50年もついてきたうそを逆転させる意味もある」と指摘する。

広告では白地に黒い文字で「喫煙は心臓病、肺気腫、骨髄性白血病、がんの原因になります」と明記し、たばこの中毒性、受動喫煙の危険性、低タールたばこの危険性などについて告知する。

マールボロ」のメーカーを傘下にもつアルトリアは裁判所の命令を受けて今年10月に発表した声明で、「米連邦医薬品局(FDA)の規制対象となったことを含め、この20年で業界は大きく変わった」と述べ、「リスクが低いたばこ製品の開発に取り組む」と強調。

「責任ある企業としての社会の期待に沿う事業展開に努める。その一環として、我々の製品の健康への影響についてオープンに伝え、引き続き禁煙の取り組みを支援し、未成年のたばこ使用防止を後押しして、潜在的リスクを減らした製品を開発する」とした。

R・J・レイノルズは声明で、「論議の多い業界における責任ある企業として、命令には全面的に従う」と表明。「我々は、たばこの使用に関して論議を呼んでいる多くの問題の解決に取り組んでいる。今日のたばこ業界は、訴訟が起こされた1999年とは大きく様変わりした」と述べている。

たばこ会社を相手取った訴訟には、米がん協会、心臓協会、肺協会などもかかわってきた。

がん協会のクリフ・ダグラス氏は言う。「50年にもわたってたばこ業界が共謀して詐欺をはたらき、公衆や衛生専門家や政府をあざむいてきた時代は、ある程度は終わる」「今こそ業界は世界に向けて真実を語らなければならない」

ただ、若者のメディア利用は激変してユーチューブやソーシャルメディアが主流になり、新聞を読む若者は減った。そうした中で、新聞広告やテレビCMの効果を疑問視する声もある。

たばこ増税や写真を使った警告表示、メンソールたばこの販売禁止に対しては、業界が反対し続けている。「これで1つの時代が終わると言えればいいのだが、そうはいかない」。たばこ規制を訴える非営利団体のロビン・コバル代表はそう語った。

 

喫煙は百害あって一利なし


世界保健機関(WHO)は31日、喫煙が環境に与える悪影響に関する報告書を発表した。世界では年に700万人が喫煙が原因で死亡しており、医療費と生産性低下による経済的損失は年に1兆4000億ドル(約155兆円)に達するという。

またタバコは、栽培や製造においては森林伐採や環境汚染の原因になり、大量のごみを地球環境にもたらしてもいる。

例えば栽培地ではタバコ以外の作物は作られないことが多いため、タバコも土壌も病害虫に弱くなっており、栽培には大量の農薬が必要となる。

また専門家によれば「タバコは土壌から大量の栄養素を吸い上げるため、大量の肥料が必要となる。これにより、土質の悪化や砂漠化を招き、生物多様性や野生生物に対してマイナスの影響をもたらしている」という。

タバコの葉の加工には大量の材木が使われている。

熟成に使われる材木の量は世界で年に1140万トン。木を燃やして葉の乾燥が行われるケースもある。タバコ300本あたり1本の木を消費している計算だ。

また、吸い殻などのごみの量は毎年3億4000万〜6億8000万キロに達しているという。
WHOの試算によれば、2012年に毎日たばこを吸っていた人の数は約9億6700万人。消費されたたばこは6兆2500億本近くに達するという。

たばこ税の徴収額は世界で年に2700億ドルに達しているが、WHOはたばこ消費を減らすためにさらなる増税や値上げを提案している。例えば1箱あたり80セントの増税を行えば、世界のたばこ税収は現在の2倍になるという。

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