㈱フレッシュコーポレーション(群馬県太田市)「でりしゃす」全17店を閉店
株式会社フレッシュコーポレーションが「でりしゃす」全17店を閉店したと発表
埼玉、群馬両県にある総菜販売「でりしゃす」系列店の総菜を食べた22人が腸管出血性大腸菌Oオー157に感染し、うち女児(3)が死亡した問題で、店を運営するフレッシュコーポレーション(群馬県太田市)は20日、「でりしゃす」全17店を閉店したと発表した。
同社によると、群馬、埼玉、栃木の3県にあった17店舗を19日付で閉店した。従業員は、同社が運営する他のスーパーなどで雇用の場を確保するという。
でりしゃすは8月24日から全店で休業し、店の衛生管理態勢を見直し、今月7日に営業を再開していた。ただ、「感染者がたくさん出て、イメージや信用の面も含めて、総合的に営業の継続は難しいと判断した」と同社は閉店の理由を説明。「感染源の特定に向け、引き続き保健所の調査に全面的に協力していく」としている。
今月7日の営業再開前には前橋市などが店に立ち入り調査を実施。女児の死亡を受け、群馬県などは県内12店の調査を改めて行っていたが、閉店に伴い立ち入り調査は打ち切るという。
総菜量り売りトングが原因か?
総菜店「でりしゃす」の系列店をめぐる食中毒が発覚したのは8月21日。埼玉県熊谷市の籠原店で、同月7~8日にポテトサラダを買って食べた男女8人が腹痛や下痢を訴え、一時は意識不明の重体になった5歳女児もいた。
炒め物食べた3歳女児死亡 O157問題の系列店で購入
発症者はその後、同じ「フレッシュコーポレーション」が運営する同市の熊谷店や前橋市の店舗で総菜を買った客にも拡大。群馬、埼玉両県などによると、13日までに男女24人の発症が確認された。
一方、感染の原因となった食品や感染経路は特定できていない。各地の保健所は、ポテトサラダを製造した群馬県高崎市の食品加工会社や総菜店を検査したが、加工会社の機械や残りのサラダからはO157が検出されなかったという。死亡が確認された女児は、ポテトサラダを食べておらず、他の食品から感染したことになる。
感染拡大の原因となった可能性があるのは、総菜を取り分けるため、店舗で使われていたトング。でりしゃすの系列店では、総菜が大皿に盛られ、客自身が好きな分を取る「量り売り」をしており、同じトングで複数の総菜を取ることもあった。前橋市保健所の担当者は13日、「盛りつける作業の中で、汚染されたものを持ち込んだという考え方もできる」と語った。
ただ、複数の店舗で総菜を買った人から同じ遺伝子型の菌が検出されており、トングだけでは説明がつかない。包丁やまな板の使い回しもあったといい、保健所も調査を続けている。フレッシュコーポレーションの担当者は「引き続き、感染源の特定に向け、協力していきたい」と話した。
★株式会社フレッシュコーポレーションは、関東地方を中心にスーパーマーケットなどを経営する企業である。本社は群馬県太田市。
◆沿革
1978年 - スーパーマーケット「フジマート」創業として創業。
2017年 - 社名を「株式会社フレッシュコーポレーション」に変更。