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札幌市の病院で8月2日腸管出血性大腸菌O157の集団感染が発生し、80代の男性入院患者2人が死亡

札幌市は8月2日、同市の病院で腸管出血性大腸菌O157の集団感染が発生し、80代の男性入院患者2人が死亡したと発表した。他に8人が発症、6人も感染が疑われるが、いずれも快方に向かっているという。
 
 市保健所によると、7月27日~8月2日、70~90代の男女計16人が発熱や下痢などの症状を訴え、検査の結果、10人の便からO157が検出された。病院食や調理を担当した職員からは検出されておらず、食中毒ではないという。
市保健所は「夏は感染が起きやすい時期」であることを強調、食品の加熱や手洗いなど予防を徹底するよう呼びかけている。

 同病院では、2日までにデイケアサービスや外来診療を中止。保健所は感染経路を調べるとともに、病院に対し感染防止策を指示した。 
 
★病原性大腸菌(びょうげんせいだいちょうきん)とは、特定の疾病を起こす大腸菌菌株の総称である。毒素原性大腸菌とも呼ばれる。
病原性大腸菌は生化学的性質および学名は大腸菌だが,食中毒を引き起こす菌種をいう。腸管侵襲性大腸菌,腸管毒素原性大腸菌,病原血清型大腸菌腸管出血性大腸菌の4種類に大別される。

通常,大腸菌はヒトや動物の腸内に存在する細菌であるが,なかにはO-157のようにベロ毒素をつくりだし,腹痛,高熱,嘔吐を引き起こすものもある。
細菌学的には、菌の表面にある抗原(O抗原とH抗原)に基づいて細かく分類される。
このなかで、O111O157は100人を超える規模の食中毒をたびたび発生させることがあり先進国で問題となっている。

現在、要注意とされている病原性大腸菌は、O-157、O-26、O-111、です。他にO-74、O-91、O-103、O-121、O-145、O-161、O-165、なども時にベロ毒素を出すことがあります。その他のタイプでも稀にベロ毒素を出すことがありますので、病原性大腸菌には油断禁物です。
 
O157は血便を伴う激しい下痢を伴うことから正式には「腸管出血性大腸菌O157」と呼ばれています。

 大腸菌は、細胞壁の「O(オー)」抗原と鞭毛の「H」抗原により分類されています。「O157:H7」とは、157番目に発見されたO抗原と7番目に発見されたH抗原を持つ大腸菌という意味です。現在O抗原は173種類、H抗原は56種類見つかっています。  
 
◆病原性大腸菌の症状
 3~5日の潜伏期間を経て、下痢から始まります。すぐに頻回の水様性下痢となり、強い腹痛と血便が見られるようになります。腹痛は腹部全体のこともありますが右下腹部痛のこともあり、急性虫垂炎との鑑別が必要なこともあります。血便は血液のみのようになり腸粘膜が混在することもあります。発熱は必ずしも見られません。腸炎のみで次に述べる重症な合併症がなければ下痢が始まってから、5~7日で軽快してきます。
 
問題になるのは【溶血性尿毒症症候群(HUS)】という合併症です。
【溶血性尿毒症症候群(HUS)】
 下痢が始まってから、5~10日くらいして発症します。
☆腎不全:血尿、尿量の減少、顔や手足のむくみ、高血圧など。
☆血小板減少症:鼻血や歯肉からの出血が見られる。
☆溶血性貧血:赤血球が壊れて、貧血となり、顔色不良。
神経症状:脳浮腫(脳のむくみ)による意識障害、けいれんなど。
【溶血性尿毒症症候群(HUS)】は、生命に関わるくらい重症です。が、早期に治療すれば回復が早いです。発症早期は下痢しか症状がみられませんが、下痢くらいと考えず早めに医療機関を受診しましょう。
特に血便が見られたら、いくら元気に見えても様子など見ることなく、すぐ受診しましょう。

◆感染対策
牛等の糞便等から検出され、食肉が汚染されることが多い。感染している牛は無症状である。汚染防止のため食肉生産および加工の現場では多くの汚染防止対策が取られている。環境中での生存期間が長く、堆肥中で21ヶ月生存したとの報告があるほか、レタスなどの葉に付着後は2週間程度生存している。また、8℃以下では殆ど増殖しないが、12℃以上では3日間で100倍に増殖したとの報告がある。
腸管出血性大腸菌に対する特有の予防法は無く、一般的な食中毒の予防方法と同様である。
 
★ポイントは、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」という食中毒予防の3原則を守る。

注意することとしては生の食品はできるだけ避け、食べないようにしましょう。
●帰宅後、食事前、トイレ後、料理の前にはよく手を洗い、清潔なタオルで拭き、清潔な器具で調理します。
●食材は食べる直前まで十分に(8℃以下)冷やしておく。
●食器(箸)は未加熱食材用と加熱済み用を分ける。
●加熱に弱い菌であるため、肉を使用する食品は、その中心温度を75℃以上且つ1分以上の加熱をする。
などが、食中毒を防ぐために有効である。
◆注目されることとなった経緯
1940年代 英国で、乳幼児下痢症と大腸菌の関連が疑われていた際に、現在の血清型O111 が病原菌としてつきとめられた。
1967年 コレラ毒素に類似したエンテロトキシンを産生する大腸菌が最初に見いだされた。
1970年 60℃、10分の加熱で失活する易熱性エンテロトキシン(LT)と100℃、30分の加熱に耐える耐熱性エンテロトキシン(ST)の2種類のエンテロトキシンが発見された。
1982年 米国のオレゴン州ミシガン州で発生したハンバーガーによる中毒。
1985年 旅行者下痢症からEPECではないがEPECと類似の付着特性を持った菌(血清型O78:H33、菌株名211株)が分離された。
1996年(平成8年)5月28日 岡山県邑久郡邑久町(現在の瀬戸内市邑久町)の学校給食に起因するO157食中毒事件を、岡山県保健福祉部環境衛生課が発表した際に、マスコミを通じて O157の名称が知られるようになった。