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肥満は世界的に増加傾向にあり、まん延している。

 
世界では現在、10人に1人以上が肥満で、22億人が過体重となっており、毎年何百万人もの命を奪う健康上の危機がますます深刻化している──。こうした実態を示す大規模な国際調査結果が12日、発表された。
 米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された論文によると、肥満人口は調査を開始した1980年に比べ、73か国で2倍以上に急増、それ以外の国でも増加が目立っているという。
 調査は195か国で35年にわたって行われ、肥満を扱ったものとしては過去最大とされている。その結果は、スウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)で開かれた学会で発表された。
 調査を終えた2015年の時点で、世界の肥満人口は子どもが1億770万人、成人が6億370万人に上っており、研究チームは「拡大が続いている、憂慮すべき世界的な公衆衛生上の危機」だとして警鐘を鳴らしている。
 子どもの肥満率は成人に比べて低いとはいえ、研究期間中の増加率でみれば大人よりも速いペースで肥満化が進んでおり、専門家らの間で大きな懸念を呼んでいる。
 
 ◆2013年の時点で世界人口の約29%に当たる21億人が過体重か肥満
2013年の時点で世界人口の約29%に当たる21億人が過体重か肥満であり、肥満人口の3分の2弱は途上国に住んでいることが、29日発表された調査報告で明らかになった。
 米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)の研究者が中心になって行った調査によると、過体重や肥満は1980〜2013年の間に成人で27.5%、子供で47.1%、それぞれ増加した。80年に過体重や肥満だったのは8億5700万人だった。調査の結果は医学誌ランセットに掲載された。
 この増加は「大きくかつ広範であり、短期間のうちにみられた」という。研究者らは183カ国の人々の身長や体重などのデータを分析。現在は世界の男性の36.9%、女性の38%が過体重か肥満だと指摘した。
 IHMEのディレクター、クリストファー・マレー氏は、調査対象期間に大幅減少を報告した国は1つもなかったとしている。同所長は「この期間に統計学的に有意に減少した国がなかったという事実は驚きだ」とし、このことは肥満対策の効果がまだないことを示していると話した。
 肥満は一般に繁栄の病気と考えられている。実際、昨年その比率が最も高かったのは米国で、世界全体の13%を占めた。また、肥満の割合は先進国で最も高かった。
 しかし、マレー氏によると、80年には北米と欧州が突出していたが、06年以降は成人の肥満拡大ペースが鈍化していることから、現在は「他の地域の比率が劇的に拡大している」という。同氏は極端なケースとして、女性の42%が肥満だという南アフリカを挙げた。このことは、栄養失調やエイズ禍と闘っている南アが過体重に関連した慢性的症状とも取り組んでいることを意味している。
 世界の肥満人口6億7100万人の50%以上は10カ国に住んでいる。順位は米国、中国、インド、ロシア、ブラジル、メキシコ、エジプト、ドイツ、パキスタン、そしてインドネシアだ。トンガでは男性の52.4%が肥満だ。また同国、サモアミクロネシア連邦などでは女性の50%以上が肥満になっている。
 13年には、先進国の男児の23.8%、女児の22.6%が過体重か肥満だった。途上国でのこの比率はそれぞれ12.9%、13.4%。中東と北アフリカでの割合が特に高いという。
 肥満の増加を25年までに食い止めるという世界保健機関(WHO)の目標について報告は「非常に野心的で、足並みのそろった行動と一段の研究がなければ達成は難しい」としている。
 マレー氏は「肥満は最大の健康リスクの1つで、最大のリスクの中で唯一増えていることから、私はこれが比類のない懸念要因だとみている」と述べた。最大のリスクにはこのほか、喫煙、飲酒、高血圧があるという。
 同氏は今回の調査について、長期間にわたって国ごとの肥満データを調べており、世界の肥満傾向に関するこれまでの調査で最も包括的だとの見方を示した。

★肥満とは
肥満(ひまん、英: obesity)とは一般的に、正常な状態に比べて体重が多い状況、あるいは体脂肪が過剰に蓄積した状況を言う。体重や体脂肪の増加に伴った症状の有無は問わない。体質性のものと症候性のものに分類できるが、後者を特に肥満症と呼ぶこともある。対義語は、羸痩(るいそう)である。主にヒトを含めた哺乳類で使われることが多い。中年太り(ちゅうねんぶとり)は肥満の一種。
◆肥満の診断
肥満は概念的には明確なアイディアであり、概ね標準体重より 20 % 以上体重が超過した辺りからを肥満と呼ぶ。
◆体重による肥満の診断
現在、成人は体重による肥満診断として、BMI が頻繁に用いられている。日本肥満学会基準によると、BMI が、
 
BMIの計算方法
BMI=体重/身長×身長
例えば身長160cm (1.6m)、体重50kgの場合、50/1.6×1.6=19.53125≒19.5
BMI=19.5
 
18.5 未満なら低体重
18.5 以上 25.0 未満なら普通体重
25.0 以上 30.0 未満なら肥満 1 度
30.0 以上 35.0 未満なら肥満 2 度
35.0 以上 40.0 未満なら肥満 3 度
40.0 以上なら肥満 4 度
である。
世界的には一般に、BMI が 25.0 以上を過体重 (overweight) 、30.0 以上を肥満 (obesity) と呼んでいる。乳幼児では BMIカウプ指数と呼ばれ、18.0 以上が肥満傾向とされる。学童では、ローレル指数 (= 10 × kg/m3) が 160 以上で肥満とされる。これらは身長と体重から単純に計算された値であるから(成人の正常体重では BMI = 22)、大体の目安にはなるが、これだけでは筋肉質なのか脂肪過多なのか、皮下脂肪型肥満なのか内臓型肥満なのか、一切分からないという批判を受ける。BMI は標準体型の人には当てはまるが、骨太の人、足長な人、骨細の人、筋肉の多い人等には間違った判定が出る欠点がある。このため、肥満と診断する際は下のような定義と併用することがある。
 
体脂肪率による肥満の診断
適正な体脂肪率は、男性では 15 - 19 % 、女性では 20 - 25 % である。これを下回ると低脂肪で、これを上回ると肥満となる。体脂肪率を用いれば、いわゆる隠れ肥満がつかめ、また、筋肉質なのか脂肪過多なのかも分かる。しかし、正確な体脂肪率の測定には困難を伴うため、いまだその値の扱いをめぐって一定の見解をみていないのが現状である。 近年体脂肪率を計れる体重計などが出ているがこれらは非常に誤差が出やすく、誤差が大きいため参考程度にしかならない。体脂肪率を調べるなら CT や MRI 等で体脂肪面積を測定し、体脂肪率を推定するのが最も正確と言われる。
 
◆その他の肥満
腹部肥満(中心性肥満)
これは腹囲によって診断するが、その診断基準が世界的に混乱しており、2007年6月に、アメリカ糖尿病学会、アメリカ栄養学会、北米肥満学会は、共同声明を発表し、現時点では、腹囲の基準値はすべて、科学的根拠が不十分であり、今後確立される科学的基準値は人種別、性別、年齢別、肥満度別の非常に複雑なものになるであろうと指摘した。後に述べる症候性肥満の中には、中心性肥満などの特異な肥満像を呈するものがある。通常は内科医師などによって発見・診断される。
 
◆肥満は多くの病気の要因
肥満は、驚くほど多くの病気をまねく要因となります。
たとえば私たちの体内では、年齢とともに筋肉量や骨量が減り、からだを支える力が弱くなっていきます。そこに肥満が加わると、骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。転んだりして急に大きな負担を受けると、骨折を起こすことも少なくありません。
また肥満は、高尿酸血症から痛風をまねいたり、脂肪肝やすい炎を促進したり、あるいは突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼしています。
さらに、大腸がんや前立腺がん、乳がん、子宮がんなど、多くのがんのリスクを高めることも指摘されています。
 
◆肥満と生活習慣病
肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。また、これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームとも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、こうした生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけたり、もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞脳卒中などの重大な病気へと進む原因ともなります。
日本人には小太りの人は多いのですが、欧米人のような超肥満体の人はあまりいません。それは日本人の場合、もともとインスリンの分泌能力が低いため、少し太ると糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすく、それ以上は太れないためです。
それだけに日本人は、肥満にはとくに気をつける必要があります。